静岡大学サスティナビリティセンター

2024.02.21

楽しんで取り組む環境ボランティア 「リアカー」(静岡大学)

第一弾では、山梨缶詰さんの活動を見てきました。第二弾では、静岡大学内での活動を見てみましょう。今回は、静岡大学の環境ボランティアサークル「リアカー」の活動を取材してきました。定年坂を登ったことのある静大生なら、ペットボトルキャップアートで作られた看板を見て、知っている方もいらっしゃるかもしれません。一体どんな活動をしているのでしょうか、サークルの方にお話をお聞きしました。

ペットボトルキャップで作られた看板

リアカー概要

活動日 毎週木曜
定例会参加人数 10〜20人(学部は様々)
1年間の活動 4月〜
サークル広報
流しそうめん・ボードゲーム
模擬店の準備
11月〜
インカレecoカフェ(静大・東海大・常葉大と活動)〔今年はCOOL CHOICEに参加〕
県内各地の団体からの声掛けでみかん狩り
3月〜
「リサイくる市」の準備→実施
回収した家具を保管・掃除
回収した家具の販売

毎週の活動と定期的なイベントについて

毎週の主な活動は、共通A棟の各階にあるペットボトルキャップの回収や古紙回収です。ペットボトルキャップは県内の回収施設に送られます。

静大第一食堂前に置かれたペットボトルキャップの回収ボックス

リアカーではペットボトルを回収する、「エコキャップ運動」に取り組んでいます。サークル長の藤岡さんは、「例えば、ペットボトルキャップは、回収されリサイクル資源化されることで、ワクチン接種のための資金に変えられます」と話してくださいました。ゴミとして捨てられるペットボトルキャップが最終的に人々を救うためのワクチンに変えられるというのは非常に魅力的ですね。さらに、CO2の削減やリサイクルの促進、その過程で雇用が創出され、障がい者・高齢者の雇用促進にもつながっているそうです。

他にも、大学内外のゴミ拾いや大谷海岸の清掃をすることも月に一回取り組んでいるそうです。

また、「リアカー」と言ったら、「リサイくる市」です。静大生の中には、卒業する先輩たちの家具・家電を回収しているという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。実は、このリサイくる市ですが、静大から800メートル圏内は、車輪のついたリアカーで家具を回収しているんです!回収した家具などは、清掃して新入生や在校生に販売されます。「まだ使える家具・家電を約2,000円から購入できて、とってもお得だと思います」と藤岡さんもおっしゃっていました。販売の際には、留学生が来ることも多く、英語用の広告が用意されているということも教えてくださいました。

リサイくる市での出品の様子

さらに、環境ボランティアサークルとして、活動している「リアカー」ですが、最近では災害に関するボランティア活動に他の団体から誘われて参加したり、県の文化財の草むしり活動に参加したりと、活動の幅を狭めずに様々なことに取り組んでいるそうです。

「COOL CHOICE2023」の他団体ブース内で作成したバッグも見せてもらいました!

「COOL CHOICE2023」に参加してみて
毎年「リアカー」が参加している「COOL CHOICE2023」について深く聞いてみました。この「COOL CHOICE」は、静岡県の環境政策課が支援して活動しているインカレecoカフェの活動の一環だそうです。県内大学の環境系サークル4団体が集まり、毎年違った活動をしているとのことでした。去年は11月にグランシップで、企業や自治体がブースごとに脱炭素などのSDGsに貢献できる取り組みやワークショップなどが行われました。「リアカー」もブースを出したそうです。そこでは「poi」というカードゲームを通じて、参加した人々にゴミの分別についての学びを深めていただけたそうです。「正しいゴミの分別を親御さんとお子さんで正しい分別方法を考えている姿も見られ、楽しんでいただけて良かった」と藤岡さんも嬉しそうでした。

他にも、「リアカー」以外のブースの様子、他の大学の団体の活動を見ることを通じて自分たち自身も多くを学べ、楽しめたそうです。「リアカー」所属の2年生の学生は、「企業の人や静岡県庁の職員の方とも話す機会があって、貴重な体験ができた」と振り返っていました。

自身の活動とSDGsを結びつけて考えると…?

サステナビリティセンターにも、「リアカー」の活動が17のうちのどのゴールに当てはまるのか書かれていますが、その掲載にあたって、「自分たちの活動がどの目標に当てはまるのか」サークル内でも議論があったそうです。藤岡さんは、「サークルとしてどれか一つの目標に縛られることなく、参加している学生一人一人が自分なりの関心や目標を持って取り組んでいくことができれば良いと考えている」とお話ししてくださいました。「リアカー」では、活動には強制参加させるのではなく、サークル内の学生には自分の関心がある活動に来てもうようにしているそうです。

SDGsとリアカーの繋がりについてお話してくださった藤岡さん

最後に一言

「また“楽しんでボランティアに取り組む”をモットーに、活動していきたい」と藤岡さん。そこで、毎週木曜日にキャップ回収を行った後には、みんなで仲良くボードゲームをしているそうです。取材に行った私たちも、ゲームに参加してきました。また、毎月のイベントも社会貢献のボランティアに限らず、流しそうめんをしたり、ハロウィーンイベントも行ったりなど、季節ならではの活動をすることもあるそうです。「ボランティア活動だけをやっている」というイメージを払拭したいともおっしゃっていました。最後に「ボランティアやボードゲームまでゆる〜くやっているので、遊びに来てください」とおっしゃっていました。

インタビュー後にはゲームに参加させてもらいました!

インタビューを終えて

私自身、「リアカー」の取組を具体的に知ったのは今回が初めてでした。環境問題の解決に貢献することだけに目標を置くのではなく、活動の幅を狭めず、さらに楽しみながらボランティアにチャレンジしている姿はとても印象的でした。また、活動のほとんどが「誰かのため」になっているのはステキだなぁと感じました。

取材をした時に、サークルに参加している皆さんが楽しそうに活動をしているということが伝わってきました。楽しみながらも誰かのためになる活動をしている、ぜひ今後ともこのように活動していってほしいですね!

以上がリアカーさんの取材記事になります。

同じ静大生がこのような活動をやられているのかと驚くと同時に、もっと他のサークルの活動も発信していきたいなと思いました。またこういった機会をもてると嬉しいです。そして、ボードゲームの楽しさも取材に行かないと分からなかったですね。楽しかった…!

次回は、1回目と2回目の取材を元に、SDGsの12番「つくる責任 つかう責任」についてみんなで話し合ったものです。ぜひご覧ください。

幸田航騎(人文社会科学部社会学科3年)

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