静岡大学サスティナビリティセンター

2023.06.30

ボクらが投票する理由

 皆さん、第1号、第2号の記事は読んでいただけましたか?SDGsと選挙とのかかわりや、私たちが活用できる投票制度など、さまざまなことを知っていただけたかと思います。
「静岡大学の学生は、こんな風に選挙と関わっていたのか!」「不在者投票制度の存在を知らなかった……。」
――皆さんの、驚きに満ちた心の声が聞こえてきました。という冗談はさておいて。この第3号では、街頭インタビューの回答の中で興味深かったものを取り上げ、私たちが投票に行く上で持っておきたい「視点」を提案します。そして、「私たちがなぜ選挙で一票を投じるのか」についてConnect17が考察します。ぜひ、最後までお読みください!

 

 まずは、街頭インタビューの回答の中で興味深かったものを紹介します。

 

 

 なるほど、政治家となった人の行動に疑問を感じたことが、投票に行くきっかけとなったのですね。この回答をもとに私たちが提案する「視点」は、「“誰に票を入れたくないか”を考えてみる」というものです。投票したい候補者を一人に決めること、意外と難しいですよね。特に、国政選挙のような大規模な選挙の場合は、なおさら迷ってしまうと思います。そんなときに役に立つのが、どの候補者に投票したくないかを考えることです。先ほどの回答のように、日々の報道が投票行動のヒントとなる場合もあります。また、それぞれの候補者の主張を調べていくうちに「自分はこの人の主張を支持することができないな」と感じたことを皮切りに、自分の政治に対する考え方が次第に明確になっていく、という場合もあるでしょう。これまでの選挙で、誰に投票していいか分からず投票に行けずじまいだった経験をお持ちのあなた。あえて「投票したくない候補者を考える」という視点を意識しながら、選挙に向き合ってみてはいかがでしょうか?

 

――と提案してみたはいいものの、まだこのような思いをお持ちではありませんか?
「どうせ自分が一票を投じたところで、何も変わらない」
一票が持つ力などたかが知れているから、投票に行かなくてもよい……本当にそうでしょうか?ここからは、私たちが投票に行く理由についての考察です。

 第1号でも紹介したとおり、私たちは、SDGsの17の開発目標のうち、「16 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」と選挙が結びつくと考えています。また、ここで使われている「包摂的な社会」には、“すべての人々を排除せず、共に生きる社会をめざす”というメッセージが込められているのではないか、そのような社会の実現を先導してくれる代表者を、私たちは選挙で選んでいるのではないか、と読み取ることもできます。

 しかし、投票率が低下している現在、多くの人の意見が反映された上で代表者を選べている、といえるでしょうか?「包摂的な社会」が実現されているでしょうか?……どちらも、そうとはいえませんよね。そこで、皆さんの一票が必要なのです。皆さんの意見の表明である一票一票が積み重なっていくことで、「包摂的な社会」は実現に近づいていきます。

 それでも、「自分の意見が政治に反映されているなんて感じない」と思う方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、こう考えてみてはいかがでしょうか?私たちには、選挙を機にこれまでの政治をチェックする、つまり「見直す」権利があり、見直した結果が一票である、これからよりよい政治を行ってくれそうのは誰なのか考え、国政や地方政治の監視役になったつもりで投票行動を行うのも面白いのではないか、と私たちは考えています。

 さらに、皆さんが選んだ代表者による、すべての開発目標の達成も期待できます。個人の力ですべての開発目標を達成することは困難ですが、多くの有権者が投票を通じて政治参加をすることで、SDGsに関する規模の大きな政策や取り組み、ひいては開発目標の達成が実現されるでしょう。そのように考えてみると、私たちの一票はよりよい政治を行うために役立っている、と思えてきませんか。一人一人の投票行動の積み重ねは、やがて大きな力となり、政治に影響を与えます。誰も置いていくことのない「包摂的な社会」の実現とすべての開発目標の達成のためには、皆さんの一票が不可欠なのです。

 

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。私たちConnect17の熱意、伝わりましたか?SDGsが選挙とどう結びつくのか、私たちが選挙に行く理由は何か……ここに書かれていることが、あなたの心に少しでも響いたら幸いです。そして、これからのConnect17の活動にもご注目ください!

大石結子(静岡大学人文社会科学部2年)

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